2011年8月24日水曜日

ART iT ニッポン国デザイン村:コスプレの闇

いまや国際語となった「コスプレ」。ディズニーやマーベルコミックスが世界の漫画・アニメ界を支配していた時代には、ほとんど存在しなかった「お気に入りのキャラクターになりきる」という作品とのつきあいかた――だってミッキーマウスやドナルドダックやスーパーマンのコスプレが、どれほどポピュラーだったろうか――を生み出したのは、日本の漫画やアニメが、アメリカン・コミックスとはまったく別種の力学を持ってきたからではないか。


コスプレと言われて僕らが思い浮かべるのは、イベント会場やスタジオで撮影された彼ら”レイヤー”さんたちの、いわば舞台上の晴れ姿である。お気に入りのゲームやアニメのキャラに身をやつし、ハレの場で、つかのまの異人格にひたる彼ら。カメラ小僧に取り囲まれてポーズを取っているときの、その近寄りがたいオーラと、お話聞かせてくださいと頼んだときの、すごくふつうの女の子や男の子っぽいしゃべりかた。その強烈なギャップがおもしろくて、僕は2007年から『プリンツ21』という小さな美術雑誌で、レイヤーさんの日常生活を覗き見させてもらう企画を続けている・・・。



今月の『ニッポン国デザイン村』は、4年間を過ぎていまも続行中のコスプレイヤーお宅訪問企画から見えてくる、サバービア・カルチャーとしてのコスプレ考察。そして今号からは、大竹伸朗くんの夢日記『夢宙』も始まってます。あわせてお読みください!