2011年1月26日水曜日

大阪式:谷本恵写真展

「写真家 吉永マサユキ氏・森山大道氏による写真塾「resist」の卒業生有志10人が新しい展示発表の場を求め」(公式サイトより)、去年10月にオープンしたばかりの写真ギャラリーSHUHARI。気がついてみれば、四ッ谷3丁目から新宿御苑あたりって、写真ギャラリー密集地帯になっちゃいましたね。ちなみにSHUHARIは四ッ谷3丁目のスーパー丸正並びですが、1階には僕が愛用する安中華料理屋、2階にはこれまた安くて良心的な中国マッサージ店、そして3階がギャラリーと、いい感じの組み合わせです。

そのSHUHARIできのうから始まったのが、谷本恵さんという若い写真家の展覧会。『大阪式』というタイトルのとおり、谷本さんが生まれ育った大阪の、いかにも大阪らしいひとや風景をスナップしていて、楽しいコレクションです。



僕も最近、大阪にはよく撮影に行くのですが、これだけ大都市で、これだけおもしろいのに、まともなガイドブックや写真集がひとつもない場所って、世界的にも珍しいんじゃないでしょうか。タコ焼きだの、タイガースだの吉本だのじゃない、素顔のブスかわいい大阪。そういう良さって、もしかしたら地元の人間がいちばん見えてないんじゃないかなと思ったりします。

谷本さんも、大阪から東京に出てきて初めて、外から大阪を観察する視線が持てたと言ってました。「こうボケたら、こう突っ込め」みたいな、地元民しか共有できないメンタリティ。そういう閉じた感覚が、すごくもったいないなと思うときが、大阪にいるとよくあります。今回の展覧会は、量的にまだまだ物足りないのですが、そんな「外から見た大阪の楽しさ」がにじみ出ていて、うれしくなりました。しかし僕みたいなヨソモノに大阪本つくらせてくれる出版社、ありませんかねえ。



(展覧会は2月6日まで)