2010年12月23日木曜日

東京右半分:荒川区に響くタイの祈り 前編

バンコク郊外、かつてタイへの玄関口だったドンムアン国際空港近くに320万平米に及ぶ広大な敷地と、宇宙船のようにSFめいたデザインの巨大な本山を持つタンマガーイは、創立が1970年。まだ40年という新興勢力でありながら、いまもっとも急成長している仏教団体である。重要な儀式のおりには本部に10万人以上の信者が集結し(付属の調理場ではいちどに1トンの米を炊けるという)、タイ国内のみならず世界23ヶ国に55以上の別院を開くまでになっている。
日本でも2000年に東京別院が開設されたのを皮切りに、大阪、長野、栃木、茨城、神奈川、埼玉、山梨、名古屋と9ヶ所の別院がすでに活動していて、その信者のほとんどがタイ人というから、日本各地のタイ・コミュニティの広がりと結びつきにちょっと驚く。


しかもそれらの別院は本来的に在日タイ人のために、タイ人僧侶によって運営される寺院であって、日本人に対する勧誘活動はまったくといっていいほど行っていないにもかかわらず、寺院は日本人にも開放され、すべての儀式にだれでも参加できるし、日本語による瞑想プログラムなども完備されている。もしかしたら、日本の一般的な寺院より、よほど自由で、外に向かって開かれたシステムなのだ。
(次週後編に続く!)