2010年8月18日水曜日

アサヒカメラ 今夜も来夢来人で:横須賀市久里浜

神奈川県横須賀市久里浜。ペリーが上陸した地として歴史に名を残し、戦前戦中は日本軍の要地でもあった久里浜の、港に近いインダストリアルな風景に、ポツンと火を灯すスナックがひとつふたつ。その中でも、もうすぐ開店25周年を迎える老舗が久里浜のスナック来夢来人だ。

ビロードのようなワインレッドの布地が壁全面を覆い、天井にはミラーボールまで下がるクラシカルなインテリア。これぞ昔ながらの「ザ・スナック」という雰囲気である。


マスターが仕切る昼間のカラオケ喫茶はさすがにかなり年配のお客さんが多いというが、夜、ママさんの時間になると、地元の歌自慢の常連さんたちで店はまたちがう盛り上がりを見せる。ママさんの美声につられてか、民謡の先生、アコーディオンの先生、カラオケ大会の常連出場者などツワモノたちが集まって、毎晩のように自慢のノドを競いあい。



「口調はおだやかだし、上品でひとの悪口は言わないし、タバコも吸わないし」というママさんのキャラクターが自然と醸し出す、和気あいあいとしたムードの中にも、どことなく歌道場的な雰囲気が漂う、ここはスナック修業の上級コースなのだ。