2010年8月4日水曜日

しかし腹立つキリンビール!

もうネットや一部週刊誌でも話題になってますが、館ヒロシがドラムを叩いて「おいらはドラマー♪」と歌う、キリンビールの新CM。なんでも収録前に1週間スタジオにこもってトレーニングしたそうで、その成果はさすがにかっこいいのですが、しかし! そのあと裕次郎が「ヤクザなドラマー」と歌ってるところを、館さんは「ヤンチャなドラマー」と歌詞を替えちゃってるではないですか。

いくらご時世だからって、それはないでしょう。歌の「ヤクザ」が暴力団を指すわけじゃないってことぐらい、キリンビールのオッサンたちにはわからないんでしょうか。裕ちゃんの歌を口ずさみながら、ビールのジョッキを空けてきた昭和の日本人たちに、キリンビールは育てられてきた企業なのに。サケ売って、ひとを酔っぱらわせて儲けてる会社に、いまさら健全ぶられてもねえ。

『嵐を呼ぶ男』は映画の監督も、実は主題歌の作詞も井上梅次さんでした。日活全盛期にアクション路線を担った職人監督であり、香港に渡って現地の映画技術向上に尽くし、現代香港映画育ての親のひとりでもあった、僕の尊敬する映画監督です。惜しくも今年2月に86歳で亡くなりましたが、こんなふうにゼニ儲けのために勝手に改変されて、草葉の陰で苦笑していることでありましょう。だって館ヒロシって、石原プロ所属ですよ! ま、本人も内心おだやかじゃなかったのかもしれませんが・・・しかしクールスでデビューした硬派の男にしては、あまりにもクールじゃない、お粗末な舞台でありました。せめてDVDで、本家の貫禄を堪能しておきましょう。