2009年11月11日水曜日

僕も当然、公開すぐに新宿の劇場で観たのですが、先週は川崎のIMAXシアターで2回目を観ました。これがすごい! ふつうの小さなスクリーンとは全然、スケールのちがう画面と音量・音質で、感涙必至です。現在のスケジュールでは11月20日までしかやってないので(それも14日の土曜からは夜の1回だけみたいです)、万難を排して至急、川崎に走ってください。


しかしこの映画についてはいろんなひとが熱いコメントを書いていますが(僕がいま一緒に仕事しているデザイナーの坂哲二さんもブログで叫んでました:http://bangd.blog47.fc2.com/)、死のたった数日前に、これだけの完璧な音楽を作り出せるということ。20年以上前に書かれた曲が、いまの感覚でもまったくフレッシュで(マドンナとかと較べてみてください!)、それを聴きながら育ってきた超一流ミュージシャンたちをひれ伏させ、未知のレベルのステージをすべてのひとびとに体験させるべく、文字どおりいのちを削ってきたこと。なんだか、観ているうちに、これは民の欲望にみずからのいのちを捧げた神の子=キリストのような存在なのかも、と思ってしまいました。

肌を白くしたとか、整形を失敗したとか、子供と寝たとか、財産を浪費したとか、言われたいほうだい言われて、怪物扱いされて、それをすべてわかっていながら、しかも50回などという無謀すぎるコンサート・スケジュールが自分のいのちを縮めるともわかっていながら、みんなの聴きたい音楽を、最高の純度で提供しようとした、その最後の日々。胸が詰まります。

1955年にテレビに映ったエルヴィスの腰が、一瞬で世界を変えてしまったように、マイケルが『ビリー・ジーン』で見せた、5秒にも満たないムーンウォークが、世界中の子供たちにどれほど勇気を与えたでしょうか。飢饉のアフリカで、犯罪に怯えるロシアのアパートの一室で、インドのスラムで、マニラのバラックで、ざらざらのビデオ画面を食い入るように見つめていた何千万、何億もの瞳のことを思うと、気が遠くなります。

ちなみに舞台演出(と映画の監督)のケニー・オルテガは、1995年にドリカムの舞台監督をやったそう・・・ま、いいですけど。

http://109cinemas.net/imax/movies_info8.html