2009年9月23日水曜日

長野は日本のガラパゴスか? 『信濃の国』と『完全無言清掃』

こないだ長野県高遠に、レクチャーに招かれたときのこと。かねてから気になっていた「長野の特殊性」について、参加者に尋ねることができました。
長野県出身の友達に、前から聞いてはいたのですが、半信半疑だったことがふたつ:

1)長野県民は子供のころから「県歌」である『信濃の国』という歌を全員が歌える。
2)長野県民は、小学校でも中学校でも、授業の終わったあとの清掃時間に、口を聞いてはいけない「無言清掃」という習慣がある。

 信濃の国は 十州に 境連ぬる 国にして
 聳ゆる山は いや高く 流るる川は いや遠し
 松本 伊那 佐久 善光寺 四つの平は 肥沃の地
 海こそなけれ 物さわに 万ず足らわぬ 事ぞなき『信濃の国』は

と、信濃がいかにいいとこであるかを6番まで、6分間あまりにわたって自慢しまくる『信濃の国』。友達がいちどカラオケで絶唱するのにびっくりしたら、「長野じゃ全員歌えるんですよ! 東京だって、「東京の歌」歌えるでしょ!」と言われ、ふたたび絶句。そんなわけないじゃん、だいたい東京の歌なんて、あることすら知らないと言ったら、あちらがびっくり。しかしウィキペディアによれば、

『信濃の国』はかつて、長野県内の多くの小学校・中学校・高校で、さまざまな行事の際に歌われてきたため、俗に「長野県内で育った者なら、全員が『信濃の 国』を歌える」「会議や宴会の締めでは、必ず『信濃の国』が合唱される」「『信濃の国』を歌えない者はよそ者」とやや誇張気味に語られるほど、長野県民に 深く浸透していた。日本の都道府県歌は、 住民にとってあまりなじみがない場合が多く、存在すら認識されていない例もあるため、『信濃の国』は、「日本で最も有名な県歌」とも言える歌である。現在 でも、県外(多くは国)から県幹部職員を着任させる時、県会に同意了解を求めるが、他県出身の人事を快しとしない県議員からは、『信濃の国』を知っている かどうかを詰問する風景が見られることもある。

ということだそうで、レクチャーの参加者に聞いてみると、半分は東京組、半分が長野組だったのですが、長野組は全員迷わず「そのとおり」に挙手。東京組がひとりも手を挙げないのを見て、おたがい絶句しあってました。『信濃の国』は、どんな通信カラオケにも入ってるし、いまやYoutubeでもチェックできるし、

http://www.youtube.com/watch?v=torIjweSqrU

パラパラバージョンも、英語版も(!)あるそうなので、ヒマな人はチェックしてみてください。

そして無言清掃! これまた長野組と東京組が絶句しあった奇習(失礼!)で、とにかく清掃中はぜったいに口を聞かない。たとえばひとりが机の片側を持てば、もう片側を持つ人を、ホウキを持てば、もうひとりチリトリを持つ人を呼びたくなるわけですが、そこで声を出してはいけない! そうじゃなくて、おたがい動きをチェックしあっていて、必要なときは声に出さずとも「察しろ!」という、他県から見ればありえないシステム・・・ですが、いまだに長野県下の学校では、一般的だそうです。そうやって「完全無言清掃」を目指して、全校一丸となって真剣に清掃に取り組んだ結果、「光る廊下になりました」なんて報告がネットでもたくさん見られるので、信じられない人はチェックしてみること。

http://www.mcnet.ed.jp/hongo-c/seitokai/seisou/seisou.html

ほかにも「無言給食」、「麦茶には砂糖を入れる」、「学校ではクラス替えがない」など、長野県人だけが「それ、ふつうでしょ」と思ってる風習がたくさんありそう。さすが教育県ですねー。運転マナーは日本最悪らしいけど。
みなさんも身近な長野出身者を探して、飲みに誘ってみましょう。