2009年9月23日水曜日

筑摩書房のウェブマガジン新連載!:東京右半分


なるべく都心から近いこと。なるべく家賃や物価が安いこと。エネルギッシュな町が生まれる要素は、このふたつしかない。マ スコミに教えられたのでもなく、ディベロッパーの戦略に踊らされるのでもなく、いま東京の若者たちがみずから見つけつつある新たなプレイグラウンド、それ が「東京の右半分」だ!

・・・というわけで、筑摩書房のウェブマガジンで、今月から東京の右半分を訪ね歩く連載を始めました。初回のアップが9月18日。月2回の更新で、これから2年間にわたって、体力が許すかぎり、右半分をうろつきます。なぜ右半分かといえば——

古き良き下町情緒なんかに興味はない。老舗の居酒屋も、鉢植えの並ぶ路地も、どうでもいい。気になるのは50年前じゃなく、いま生まれつつあるものだ。 都心に隣接しながら、東京の右半分は家賃も物価も、ひと昔の野暮ったいイメージのまま、左半分に比べて、ずいぶん安く抑えられている。
獣が居心地のいい巣を求めるように、カネのない、でもおもしろいことをやりたい人間は、本能的にそういう場所を見つけ出す。ニューヨークのソーホーも、ロンドンのイーストエンドも、パリのバスティーユも、そうやって生まれた。 現在進行形の東京は、六本木ヒルズにも表参道にも銀座にもありはしない。この都市のクリエイティブなパワー・バランスが、いま確実に東、つまり右半分に移動しつつあることを、君はもう知っているか。

そして、記念すべき第1回目は『下町に響け、ハワイアン 前編』ということで、浅草で50年間以上も国産ウクレレを作り続けてきた<キワヤ商会>と、伝統のワザと新しいデザインを上手にミックスさせて、楽しい手ぬぐい柄アロハを制作販売している<染の安坊>の2軒を取り上げています。



下町というと、とかく「谷根千」みたいな江戸情緒っぽいムードを求める記事やテレビ番組がほとんどなのですが、それはそれで心地よいとしても、そんなんとちがう、必要に迫られて生まれる、あたらしい生活のリアリティを、いろんな角度から探っていけたらと思ってます。始まりはマイルドだけど、これからどんどんディープになっていくので、乞うご期待! みなさまからの貴重な情報も大歓迎なので、筑摩のサイトまでお知らせくださいね。



http://www.chikumashobo.co.jp/blog/new_chikuma_tuzuki/