2009年9月17日木曜日

演歌よ今夜も有難う、第9回アップしました!


あの人は車をとめた
私は笑ってみせた
あの人はくちびる求め
私は黙ってうけた
いいのねこのまま別れても
自分の心に聞いてみた
あの人はため息ついた
私は黙って泣いた
幸せばかりが飛んでゆく
二人のドラマは終わったの
あの人はあしたへ向かう
私はきのうへもどる

  『想い出』あずさ愛(作詞 岩城健治)


渡されたシングルCDは、久しぶりに見る縦長サイズのパッケージに、ノートパソコンには入らない8センチ・サイズの盤だった。めんどくさいなー、と思いながらプレイヤーにCDをセットして、「あの人は〜〜」と最初のフレーズが流れたとたん、思わず座りなおす。桂銀淑(ケイ・ウンスク)ばりのハスキー・ヴォイスと、全盛期の弘田三枝子を思わせるグルーヴ。素直な、というか引っかかりのない、カラオケで歌いやすい曲ばかりを聴かされる最近の演歌界にあって、久しぶりにザラリとした声のエネルギーに出会った気がした。こういう歌手が、こういう曲が、どうして話題にもならず、埋もれているのだろう。


あずさ愛さんは、秋田県秋田市生まれ。いまも秋田と東京を行き来しながら、地道な活動を続ける歌手である。会社員の家に生まれ、「父がよく歌ってた青江美奈の『池袋の夜』と、みんなが集まれば歌う秋田音頭みたいな民謡、そういうのを聴きながら」育ちましたというあずささんは、しかし子供のころは人前で歌うなんて、とても考えられないという、人見知りの激しい少女だった・・・。

http://blog.heibonsha.co.jp/enka/2009/09/post-8.html