2009年6月11日木曜日

『デザイン豚よ木に登れ』『現代美術場外乱闘』発売されました!

2000年から2006年まで、デザインとアートについて書かれた連載記事を2冊にまとめた書籍セットが、洋泉社から発売されました。編集者の小関学くんと、洋泉社の担当・雨宮郁江さんが、1年がかりでじっくり、ねっとり作ってくれた、渾身の労作であります!
『デザイン豚』では、おもにデザインの分野に関わるものを、隔月誌『アイデア』に2000年3月号から2007年9月号まで、37回にわたって連載された『デザイン豚よ木に登れ』から収録。
『場外乱闘』のほうは、2004年1月号から2006年10月号まで、12回にわたって季刊美術誌『Art It』に連載された『現代美術場外乱闘』に、『アイデア』の連載からアート寄りの記事を加えたものです。
各巻の内容は以下のとおり。なるほどと納得していただけるもの、そうだったんだ!と驚いていただけるもの、あるいは異論反論いろいろありましょうが、とにかく51本すべてが取材に基づく現場からのリポートであって、エッセイでも評論でもありません。いまはもうなくなってしまった場所、見られない作品もたくさんありますので、とりあえず資料性は高いのではないかと思います。書店の店頭で、ぜひご覧ください!
これから夏にかけて、広報のために公開トークやレクチャーもいくつか予定しています。決定しだい、このブログでお知らせしますので、ふるってご参加くださいませ。


『デザイン豚よ木に登れ』

かっこいいデザインって、なんでかっこわるいんだろう。
かっこわるいデザインって、なんでかっこいいんだろう。

見た目の懐石料理より、ドンブリみたいに腹にずしりとくるデザインが食べたい。
音階練習してるヒマがあったら、コード3つ覚えてオリジナル曲をがなる、そんなパンクスみたいな気合いが、いまのデザイン業界にはちっともないじゃないか。
いいんだよ、仕上がりなんて。どうせ、かっこつける柄じゃないし。「デザイナー」なんて肩書き持たないやつらのほうが、こんなにパワフルなの作ってるのに。
どうする? ちまちま直し入れたりしてる場合か? 似合わないお洒落さん気取って、退屈じゃないの? ほんとに?

1 お色気手帖
2 描き文字のエクスタシー
3 世界残酷デザイン物語
4 『アムール』を読んでいるあの女はこんなSEXをしている
5 ”お通し”という名の前戯
6 30センチ角のイコン
7 南の国の地獄巡り
8 1963年のバンコク・ジャパニーズ
9 人工色の真実
10 ナッシュヴィルの活版印刷屋
11 エアブラシの偉人たち 前編
12 エアブラシの偉人たち 後編
13 日本のグラフィティの元祖——水森亜土
14 発明とヌードの人生——ラヴァランプ40周年によせて
15 機能する彫刻
16 ミクロファンタスティック——電子顕微鏡の世界
17 ジャパニーズ・ポップはアフリカの仮面なのか
18 携帯電話の改造道
19 葉が茂り、実がなる家具——時間をデザインするライフファニチャー
20 タートルネックの男
21 3.8ポイントの叙情詩
22 点取り占い
23 ヘタヘタ手描きジャケットの孤高の世界
24 横好きの幸福
25 切り抜かれた極楽——94歳の現役スクラッパーを訪ねて



『現代美術場外乱闘』

かっこいいアートって、なんでかっこわるいんだろう。
かっこわるいアートって、なんでかっこいいんだろう。

わかったふりの現代美術。それって、ほんとはどれほど大事なものなんだろう。そういうのをネタに稼いでる”売れっ子アーティスト”や”一流ギャラリスト”や”オシャレ投資家”は別として。
売れっ子でも一流でもオシャレでもない君が、ほんとに食べたいもの、ほんとに着たいもの、ほんとに愛したいアート。それはどこかほかの場所にあるはずだ。美術館の床でもなく、ギャラリーの壁でも、大学の教室の黒板でもなく。すごく意外で、たぶん、すごく近くに。
これからそれを、いっしょに探しに行こう。

1 商店街に展開したお色気大河SFドラマ
2 元祖国際秘宝館——失われし夜の国宝
3 ラブホの夢は夜ひらく
4 シミュレーショニズムとしてのイメクラ空間
5 欲情する四色印刷——シティヘブン、または2500グラムの輪転宇宙
6 オトナのおもちゃ箱
7 ファンタジーの終焉——宝塚ファミリーランド最後の日
8 愛知万博の陰に咲くコンクリートの華
9 サシミ山のかなたに——伝説のインスタレーション居酒屋探訪記
10 喫茶室ルノアール
11 銭湯芸術家の独白
12 一寸のゴキブリにも五分の魂
13 印画紙にこびりついた欲情のかたち
14 証明写真ボックスがアート・マシンだったころ
15 「お水」の素顔
16 バンコク国際空港で世界最速のフォトショッパーに出会う
17 ヒロシさんやNIGOさんの真似して、僕もウォーホル買ってみました——バンコクの名画工場を訪ねて
18 南の島の少年画家
19 憑依文字
20 精神病院のアトリエにて——岩崎司
21 最終カーブを曲がりきれない人のために
22 ギザギザハートの現代美術告発マップ
23 ひそやかな無意味の意味性を求めて・・・そして現代美術展覧会タイトル
24 全裸という芸術
25 修正主義者のグラフィズム
26 妄想の人体図